―若い世代こそ、質の良い古着を選んでいますよね。
結構、質が良くて、値段の高い古着を買っていくんだよね(笑)古着好きで有名な、「さらば青春の光」の森田くんがYouTubeで紹介してくれた時からも、すごく若い子達が来るようになりました。
-大阪や関東の古着屋が名古屋に続々と出店、今、古着めっちゃ盛り上がっていませんか?
今が一番盛り上がっていると思う。自分達が店を始めた2000年始めもかなり盛り上がっていたけど、それよりも凄い。それに今、店を出している若い世代の子達のパワーも強い。海外での古着仕入れ価格って、過去と比べて今が一番高いと思う。昔は100万円あれば、車中泊でしばらく滞在できたけど、そんなこと今は難しい‥。それでも、今の子達はちゃんとアメリカに買い付けに行くし、すごくえらいと思う。いつの時代も、古着の中心は若い子達。若い頃の方が自信もあるし、怖いものがないから、ガンガンいけちゃう。僕も若い頃は頻繁に海外に行っていたし、店をオープンした頃は、めちゃくちゃな商売してたから(笑)今が一番、ちゃんとしているかもしれないな(笑)
-オープンから20年経ちましたね。
振り返ってみると、数より質にこだわり続けてよかったと思っています。若い頃はやりたいことが多すぎて、色んなパターンを増やしたこともあったけど、お客さんは求めてないから、最初は興味本位でくるけど、来てくれなくなるんだよね。その頃、アメリカとか海外も頻繁に行っていたし、手広くやりすぎて、お金も仕事もまわらなくなってしまったことがあって。お金のために、売りたくない服を売ったこともあったし、そのときが一番きつかった。それで一回初心に戻ろうと思って、今みたいな服屋一本だけのスタイルになりました。今の店長はその頃に入ってきてくれた子で、履歴書に志望動機を枠いっぱいに書いてくれていたことをよく覚えています。
―好きなことに挑戦する上で、やはりお金って大事ですよね。
お店をオープンするまで、370万円くらい準備しました。アパレルショップで働きながら、プライベートで買った古着を先輩達に買ってもらったり、建築関係の日雇いバイトをして170万くらい貯めて、あと消費者金融で200万円借りました(笑)実はYAKETY YAKのある場所は、元々割烹料理屋だったんです。砂利とか敷いてあって、内装を変えるのに300万円ちょっとかかりました。でも370万円のうち、100万円はアメリカ買い付けに絶対持っていくと決めていたから、300万円の内装費は分割払いにしてもらって、色々進めました。でも、アメリカでの買い付けも100万で終わらないんだよね(笑)200万円くらい買い物しちゃって(笑)でも、自分は追い込まれないと頑張れないから、それでよかったと思う。100万円で50~60万円になるようなことをやっていたら、100万円を越える結果を出すことなんてできない。守られている感じがあると、ダメだなって思う。そんな若い頃だったから、今が一番ちゃんとしてると思うんだよね。もちろん、時代の流れや自分の変化を感じることもあるけど、好きなことをやっている方が活き活きとしているし、幸せもある。若い頃からの知り合いに、“お前、変わってないな”と言われ続けることが、今の目標だったりします。
―小嶋さんは音楽もめちゃくちゃ好きですよね。古着と音楽、どっちが好きですか?
一番は音楽だよね(笑)ヨーロッパにもよく行っていて、ロカビリーのでかいフェスティバルとかで古着を買ったりしてたよ。古着を好きになったのも、音楽がキッカケ。音楽を中心に、服、車っていう順番かな。でも、服は着るだけで自分を変えることができるし、着ることでテンションが上がるアイテム。古着が好きな起点は音楽だけど、古着をツールに、色んなジャンルの先輩や20代くらいの若い世代の子達と関係を築くことができた。僕にとって古着は、大好きな音楽とたくさんの人と出会いを引き寄せてくれる、大切な“つながり”です。