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The Songbards_使用する方

インタビュー 2022.6.16

The Songbardsインタビュー

2ndフルアルバム「Grow Old With Us」が6月29日に発売!

The Songbardsがスナマグ初登場!三部作の第一章「SOLITUDE」、第二章「AUGURIES」を経て辿り着いた、約2年半ぶりとなるフルアルバム「Grow Old With Us」。作詞・作曲を手掛ける、上野皓平さん・松原有志さんにアルバムに込めた想いからお気に入りの曲まで、たっぷりインタビュー!

プロフィール

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The Songbards/ザ・ソングバーズ

2017年3月神戸で結成された4ピースバンド。バンド名は敬愛するThe Beatlesからインスパイアを受け命名。「Songbird=さえずる鳥」×「bard=吟遊詩人」のダブルミーニング。鳥が鳴いているような心地よいサウンド、詩的表現も含まれている歌詞も魅力的。

The Songbards公式サイト▶https://thesongbards.com/

インスタグラム▶@thesongbards

―三部作の集大成となるフルアルバム。「Grow Old With Us」に込めた想いを教えてください。

上野:タイトルは、ジョン・レノンの曲「Grow Old With Me」に由来します。この三部作では人の人生を描いていて、第一章では孤独、第2章では助け合いを表現しています。第三章は大切な人と人生を歩んでいく将来を描いているので、「Grow Old With Us」というタイトルに決めました。

ーそれぞれの章にもコンセプトがあったのですね。

松原:ちょっとした仕掛けもあって、第一章の曲で使用した喧噪や雨などの音が、第三章の曲に再び登場していたりします。時系列で捉えたら第1・2は過去だけど、感情は過去と現在を行き来する。そんな意味合いを、使用している音でも表現したりしています。

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―今作には、「夕景」や「窓に射す光のように」など第1章・第2章の曲も収録していますね。

松原:改めて皆さんに聴いてもらいたい曲をメンバー全員で選びました。僕たちはミドルテンポのバラードが好きで、そういう曲こそ、皓平(上野)の歌の良さが出ていると思っています。だからこそ、フルアルバムである今作にも、収録しておきたいと思ったんです。

―スピンオフ作品も製作された「ダフネ」も、ミドルテンポで心地よいメロディーでした。

上野:「ダフネ」は結構前から弾き語りのデモがあって、バンドサウンドにアレンジするまでかなり時間がかかった曲なんです。フルアルバムにずっと収録したいと思っていた曲なので、今作で収録できて良かったです。

ーデモの時点から「ダフネ」というタイトルだったのでしょうか?

上野:はい。タイトルは、花の「ダフネ」とギリシャ神話の「アポロンとダフネ」から名付けました。「アポロンとダフネ」を読んだ時、どこか自分の経験に重なる部分もあって、その時に感じた想いから生まれた曲です。誰にでも大切な人を失う瞬間はあるけれど、自分が生きていれば、その人は心の中で生き続けてくれる。その人との思い出に触れるキッカケも人生の中にたくさん散らばっている。そんなメッセージを込めました。

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―スピンオフ作品では、ドラマ「相棒」の助監督などを務める学生監督・谷口雄哉氏が監督を務めています。中川大志さんや塚地武雅さんなど豪華キャスト陣も印象的でした。

上野:谷口監督は映画やドラマの脚本を手掛けていることもあって、ストーリーの描き方が上手い方。谷口監督目線で「ダフネ」のストーリーを広げてくださったので、新しい解釈にも出会えました。

松原:物語が軸になるのかなと思っていたんですが、曲にもすごくフィーチャーしてくれていて。谷口監督の描くストーリーにグッとくる部分もありましたし、僕らと谷口監督が思い描く「ダフネ」の世界観がぴったりと合っていたことも嬉しかったです。

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―今作でお二人が個人的にお気に入りの曲も知りたいです。

松原:「2076」です。製作過程がすごく印象に残っていて、実はこの曲は、皓平が0から作った曲と、僕が0から作った曲を合わせて作ったものなんです。曲名とコンセプトは皓平で、AメロとBメロのコードは僕、でもBメロのメロディーは皓平。サビのメロディーは皓平だけど、歌い出しとギターは僕、というように、かなり複雑に混在しています(笑)こういう作り方って狙って出来ることではないから、とても思い入れがあります。それぞれが作ってきた部分に、“僕っぽさ”と“皓平っぽさ”を感じるので、この曲の一つの楽しみとして、そのあたりも注目して聴いてくれたら嬉しいです。

上野:僕は、有志(松原)が作った「シティーコラージュ」です。普段は、有志が作った曲で僕が積極的にアレンジをすることはないんですが、この曲はイメージが膨らみやすくて、アレンジのアイディアがどんどん湧いてきた一曲。なので、アレンジがすごく楽しかったです!レコーディング中に生まれた、アウトロのギターのフレーズがアレンジで入っていたり、そういう部分でも印象深いです。

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―今作をどのように聴いてほしいですか?

松原:日々の暮らしのなかに、無理せずに取り入れて聴いてほしいです。ふとした瞬間に「何を聴こうかな?」と思った時、時々このアルバムを聴いていただけたら嬉しいです。

上野:「2076」には未来から2022年にタイムスリップしたら、今よりもっと今を愛しく感じるというメッセージを込めていたり、「ダフネ」には大切な人を失っても心の中で生き続けるという想いを込めていたり、人によっては経験したことのない心境を描いた曲も多いです。なので、「もし自分だったら?」と曲の主人公に自分を重ねて、感情を疑似体験させながら、聴いていただくのも良いかなと思います。

 

取材・文/山田有真

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2ndフルアルバム「Grow Old With Us」

2020年からスタートした三部作の、第一章「SOLITUDE」、第二章「AUGURIES」を経て辿り着いた、約2年半ぶりとなるフルアルバム。「過去、現在、未来、春夏秋冬。誰しもが過ごす日常の中の変わらない価値や美しさを奏で、そっと寄り添っていく」という、三部作のコンセプトを形作る、ひとつの集大成ともいえる一枚だ。