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THE BACK HORN 山田 将司さん

インタビュー 2022.4.6

THE BACK HORN 山田 将司さん スペシャルインタビュー

最新アルバム「アントロギア」が4月13日(水)にリリース!

人気ロックバンド・THE BACK HORNの13枚目のアルバム「アントロギア」が4月13日(水)にリリース!アルバムには、ファンへの想いを表現した「瑠璃色のキャンバス」や「希望を鳴らせ」、彼らの音楽的側面を魅せる「疾風怒濤」などメンバー全員が作詞作曲で参加し、様々な組み合わせにより制作された全12曲が収録される。メンバーそれぞれが描いた“今を生きる希望”が詰まったアルバムは、まるで一本の映画を観ているかのよう。曲に込めた想いからワンマンツアーへの意気込みまで、THE BACK HORNのボーカル、山田将司さんにたっぷりインタビュー。

プロフィール

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THE BACK HORN

THE BACK HORN/1998年結成。“KYO-MEI”という言葉をテーマに、聞く人の心をふるわせる音楽を届けていくというバンドの意志を掲げている。近年のロックフェスティバルでは欠かせないライブバンドとして地位を確立し、スペインや台湾ロックフェスティバルの参加を皮切りに、10数カ国で作品をリリースし海外にも進出。2022年5月4日(水)から『「KYO-MEI ワンマンツアー」~アントロギア~』がスタートする。

WEB ▶https://www.thebackhorn.com/

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自分自身が変わることで、
見える景色を変えることができる。

-「アントロギア」というタイトルはどのような経緯でつけられたのですか?

「アントロギア」は、古代ギリシャ語で「花を集めること」を意味する、「Anthology(アンソロジー)」が語源となっていて、現代では詩文を集めた詩集という意味があります。今回のアルバムは、コロナ渦を経験したTHE BACK HORNが、メンバー一人一人の感性で希望を描くことをテーマとしていて、メンバー各々が描く“今を生きる希望”を、色んな花がもつグラデーションのように詰め込んでいます。俺たちからのギフトのような想いを込めて作ったこと、古代ギリシャ人の方々が、「花」と「詩」を同等に考えていたことを汲み、「Anthology」を語源としたタイトルを付けました。

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―1曲目の「ユートピア」から、最高にカッコ良かったです!山田さんが手掛ける力強い歌詞にもかなりパワーをもらいました。

ありがとうございます!コロナ渦で今まで通りのライブも出来なくなった今、不安を持って生きることは正直辛い。でも俺は同時に、これから良い事に出会えるかもしれないという希望を持っていてもいいと思うんです。過去を振り返ってみると、苦しかったり悲しかったりした時間があったおかげで、今の自分がいる。そう思うことで心が軽くなるし、過去を悔いることなく前に進んでいける。自分自身が変わることで、見える景色は変えられると思うんですよね。

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―歌詞内に、過去の楽曲「ヘッドフォンチルドレン」が登場していたのも印象的でした。

「ヘッドフォンチルドレン」を用いた理由も、あの頃の自分がいたおかげで、今の自分がいることを認めてあげたいという思いから。過去の自分を引き連れて、前を向いて歩いていきたいという思いを込めています。

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―山田さんが作詞・作曲を手掛けた「ネバーエンディングストーリー」の、ほっこりとした雰囲気に癒やされました。

この曲以外、収録曲はほとんど激しい曲ですもんね(笑)この曲は元々自分が自宅で作っていて、平熱感のある少しカントリー調の曲がTHE BACK HORNにほしいなと思った時に作りました。歌詞に登場する「お前」は、俺の昔からの友人がモデル。コロナ渦で人と自由に会えなくなった時、昔からの友人と会って、お酒を飲んで、何かする訳でもないけど、一緒に居てくれることへのありがたさを感じて。そんな感謝の気持ちを歌にしたいと思ったのがはじまりです。

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今回のアルバムは、この2年間で感じたことを、それぞれの思いで描くことを軸にしていたので、メンバー全員が歌詞を書いても全体がブレることはないと思っていました。歌詞の方向性がブレないからこそ、ジャズやカントリー、ラテンとか色々な曲調で展開した方が、12曲集まった時、アルバムとして豊かになると思いました。

コロナ渦でTHE BACK HORNにとって、
ライブがどれだけ大事な存在だったのかということを思い知った。

―アルバム終盤の、10曲目「希望を鳴らせ」、11曲目「瑠璃色のキャンバス」、12曲目「JOY」はファンへの気持ちをより強く感じました。

ライブが出来ない状況だった時、THE BACK HORNにとってライブがどれだけ大事な存在だったのかということを思い知りました。会場にお客さんがいて、俺たちも全力で演奏して、その一体感から生まれるエネルギーが俺たちを支えてくれていた。俺たち自身がお客さんの存在をすごく近くに感じているからこそ、自然とそういう曲に仕上がったんだと思います。THE BACK HORNは、自分と自分以外の人間が関わってるという状況を常に忘れずに歌詞を書いているので。

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「瑠璃色のキャンバス」は2020年5月の緊急事態宣言中に制作していました。2020年2月頃、俺がポリープの手術をして、次はいつステージに立てるのか、歌えるようになるのか分からないという不安な状態でコロナ渦に突入した。だから、「瑠璃色のキャンバス」にはより、“もう一度あの場所で会おう”というメッセージが強く込められていると思います。

―なぜ、「瑠璃色」を選んだのですか?

瑠璃色って、夜明けの色だったり、地球の色だったり、はじまりの色だったり、純真無垢な色のイメージがある。“夜明けのはじまりの空の色”を表したくて、「瑠璃色」を選びました。

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―「希望を鳴らせ」はどのように出来上がっていったのでしょうか?

今回のアルバム制作が決まった時、菅波が11~12曲分の青写真みたいなのを作ってきてくれたんです。ヘビー、マイナー、ライブで盛り上がる曲とか各曲の方向性が書いてあって、その内容をメンバー全員で共有して、曲作りを始めました。前作の「カルペ・ディエム」からこの作り方をしていて、菅波が作ってくる青写真のイメージに全員が賛同して、共有することができる。アルバム制作を通して、メンバー全員の息が合っていることも実感できました。

―ちなみに、青写真に「希望を鳴らせ」はどのように書いてあったのですか?

「アップテンポでライブの最後に盛り上がる曲」のみですね(笑)俺が作曲することも決まっていました。どんな曲にしようかと考えた時、オーディエンスと歌える曲を作ろうと決めました。このご時世だから無理だけど、声を出してライブを楽しめる未来が訪れる希望をみんなに感じてほしくて。なので、あえてシンガロングできるパートが入ったりしています。

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―未来への様々な希望が詰まったアルバム。12曲目「JOY」の「きっと会いにゆく」という最後の歌詞にグッときました。

作詞者の松田がいいシメをしてくれましたよ。この言葉は嬉しい。自分がファンだったら嬉しいだろうなと、俺自身も思います。

―そんなファンへの熱い想いが詰まったアルバム「アントロギア」を引っさげ、5月4日(水)からワンマンツアーがスタート!名古屋は「Zeep Nagoya」にて5月20日(金)開催です。

このアルバム自体、ライブで演奏することをイメージして全曲作ったので、不自由さがあるなかでも楽しめるライブだと思います!リハーサルは今からですが、ワクワクしています。声を出したりダイブができない分、お客さんはいつも以上に俺たちの音や熱量を感じようとしてくれると思う。だからいつも以上に気を引き締めて、みんなと音楽の力を共有し合いたいと思います。

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撮影/鈴木啓司

取材・文/山田有真

ロケ・衣装協力/THE BE-SHARE

◎着用した衣装

ジャケット/KM-65 LIGHT JACKET(GREY)¥30.800(EVISEN SKATEBOARDSゑ®) インナー/For a city boy Logo L/S tee (Vintage Black)¥7.150(BE-SHARE) パンツ/HHAngler Slack Pants (BLACK)¥15.400(HELLY HANSEN) 靴/ALL STAR COUPE LOAFER (BLACK)¥16.500(CONVERSE)

◎スタイリングのポイント

ジャケット・パンツと外にくるアイテムは、ポリエステル系の高機能素材でパリッとハリのある見た目に。インナーは、ユーズド加工のアイテムで表情をつけたコーディネートとなっている。素材感が違うアイテムが揃うが、色味をモノトーンにする事でまとまりあるスタイルに。

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Album「アントロギア」

4月13日(水)リリース。ファンへの想いを表現した「瑠璃色のキャンバス」や「希望を鳴らせ」、彼らの音楽的側面を魅せる「疾風怒濤」などメンバー全員が作詞作曲で参加し、様々な組み合わせにより制作された全12曲が収録。